映画人の育成、功績を称える目的で毎年山路ふみ子映画賞を開催しております。
「山路ふみ子映画賞」品田 雄吉(当財団理事・映画賞選考委員)
その年の優れた作品や個人の業績を賞揚する「山路ふみ子映画賞」も平成十九年に第三十一回を迎えた。山路ふみ子さんがお元気だったころは、その華やかな存在感が、表彰式の集まった人々を魅了したものだ。 毎年十一月末に発表されるこの映画賞は、数多い日本の映画選奨行事のトップを切るものとして注目を浴びるようになった。たとえば第三十回で新人女優賞を受賞した蒼井優は、その年度のほかの映画賞でも賞を総ざらいした。山路賞がその年の映画賞の流れを決める、と言っても、決して言い過ぎにはならないほどだ。 文化賞、福祉賞、功労賞などは、山路賞のユニークな特質を示すものとして注目されている。これらの部門賞は、これからも選出に心を尽くして、山路賞の存在価値を高めていかなければならないだろう。 山路ふみ子映画賞の贈呈式に出席するたびに、お元気だった山路さんの明るく華やかな笑顔が懐かしく思い出される。山路さんに尊敬と愛をこめて、この賞を盛りたてていきたいと思う。
「山路ふみ子映画賞の選考 それはとても楽しい」白井 佳夫(当財団理事・映画賞選考委員)
山路ふみ子映画賞は、プロ中のプロであることを自任する。と言っていいだろう。 気心の知れた小数の選考委員の、和気あいあいたる会議によって、選ばれる。いろいろな映画賞の選考にかかわってきた身として言うと、それがこの映画賞のいちばんユニークなところだ、という気がしている。 数十人の選考委員が投票して、その点数の合計で機械的に決まってしまう映画賞や 何十人もの選考委員が長時間会議して、採決で決めてしまうような映画賞は、どうも優等生的な作品が選ばれてしまうというのが多い。皆が比較的簡単に合意しやすい平均点の高い映画が、賞を得てしまうのである。山路ふみ子映画賞の場合は、個性の高い作品や、意外な問題作や、万人に愛される ような地味な秀作に陽が当たって、それが少数精鋭の選考委員の、ざっくばらんな 話しあいによって、すんなりと選出されるからである。 だから、この賞を選ぶのは、とても楽しい。

