『生後1~2カ月ころから、ほっぺ・くび・肩・耳のまわりなどにカサカサした湿疹がでてきてかゆそうにしています。乳児湿疹として様子をみていましたが湿疹はなかなかよくなりません。もしかしてアレルギー性湿疹・アトピー性なのでしょうか?』
このような赤ちゃんにアレルギー検査(特異的IgE検査)をしますと、70%以上で卵白・卵黄・牛乳・小麦などに反応します。
Q:食物アレルギーはどの程度くらい湿疹に関係しているのでしょうか?
A:たとえば検査で卵白に陽性であったとしても、湿疹の原因がすべて卵白にあることではありません。だから厳密に卵白を除去しても(お母さんも卵白を完全に食べないようにしても)、赤ちゃんの湿疹があまり良くならないことがあります。原因は単一なものではなく、すべて明らかにするのは難しいのです。しかしながら強い陽性反応を示す食物が、湿疹の悪化に関係していると示す研究は多数あり、除去食を行うことは意味のないことではありません。
アレルギーマーチ(アレルギーの行進)という言葉があります。赤ちゃんの頃は食物アレルギー・アトピー性皮膚炎と診断をうけ、幼稚園のころから喘息へと変わっていき、小学校になるとアレルギー性鼻炎や結膜炎も重なってくる。アレルギーの病態が年齢に依存して症状変化していく、または重なっていくことを意味しています。人生のスタートである赤ちゃん時代のアレルギー性の症状をできるかぎりコントロールして安定させることが、長期的にみてアレルギーマーチを止める可能性が十分にあると考えられるので、必要に応じて除去食について指導しています。
Q:食物除去期間はどのくらいですか?
A:個人差はあるのですが、食物アレルギーのガイドラインでは卵・牛乳・小麦・大豆は12~18カ月、ピーナッツ・魚・ナッツは3年を目安としています。卵・牛乳・小麦・大豆については、3歳までに大部分の赤ちゃんが制限なく摂取できるようになってきます(耐性獲得といいます)。
耐性獲得の検査として6~12カ月間隔で血液検査をし、検査数値が下がってきたら耐性獲得している可能性が高いとして、食物制限を緩和していきます。
Q:食物除去をおこなわずに食べていく方法もあるのですか?
A:近年、計画的にアレルギーとなる食品を食べていく治療法が注目されています。まだ確立された治療法とはいえず、危険性と効果について慎重に判断していくことになります。これは次の質問にも関係します。
Q:血液検査をするといくつかの食物にアレルギーがあります。全部除去すべきですか?
A:卵と牛乳それに小麦も制限してください。言葉でいうのは簡単ですが、実際にするのは大変です。赤ちゃんの離乳食のメニューが制限され、栄養バランスにも支障をきたす心配もあります。個別の相談が必要ですが、血液検査は絶対的なものではないので、実際に食物を摂取してもらい、どの程度なら食べても支障がないかを判断したうえで(食物負荷テストといいます)今後対応していくことになります。 |