トップページに戻る

    お母ちゃ〜ん  壁の向こうは? 100歳のお正月(1)  医療器械の音(2)   空へ(3   99歳の春の夕暮れに(4
    友情(5) タンポポ(6)  痛み(7)  ありがと ございま〜す(8) 夕焼け(9 秋色(10)  母さんはやさしい女(11)
    涙(12) 重症病棟で(13) 同じ年?(14) ようこ〜(15) 二人(16) 脳梗塞(17) 私、どうしたんだろう(18
夕暮れのうた

この詩は、50代の主婦が綴ったものです。 夫は定年退職、子供はまだ東京で学生。
少しでも学費の足しにとホームヘルパーの資格を取り、病院で働き始めました。時給
870円の派遣社員です。
病院での老人医療と介護に初めて触れました。描いていた福祉の姿と現実とのギャップ
に衝撃を受けました。その様子が生々しく伝わります。
詩に託した、熟年主婦の老人医療・介護レポートです。




知らんぷり                   

生きていれば病む
生きていれば老いる
生きていれば死ぬ

皆 知らんぷりして生きる
今を生きる
楽しげに生きる

老いから眼をそむけ
今を生きる

寒々とした老いだけが
病院に残される

冬の老人病棟は
暖かいけど寒い


夢の世界へ                  

寂しい思いは窓の外
ひらひらひらと窓の雪

楽しい思いは夢の中
ふわふわふわと窓の雪

積もった思いを手にのせて
さわってみたけど つめたくて
春までそっとうめました

春まで静かにねむります。
うつうつうつと夢の中

どこかへ どこかへ
連れてって


旅立ち                     

風船がしぼむみたいに
あっけなく
私の日常から
眼の前から
命が旅立って行く

たくさんの命を見送った
私に手を合わせ
感謝してくれた人

たくさんの思いは
動かぬくちびるからは
語られることもなく

命はあっけなく旅立つ