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あのひと言が人生を変え、支えた。ザ・ピープルの次期代表を選んだ
7年前のことだった。尊敬すべき先輩が諫言した。「貴女が代表になれば、
会員は絶対ついて来ない」。グサリと胸に刺さった。頭も混乱した。
終生忘れることが出来ない。
諫言に「代表として必ずやって見せる」と全身で燃えた。
同時に「私のような者について来てくれるありがたさ」。
感謝の心が行動の原点になった。
古着リサイクルのボランティア団体として90年に、いわき市で
産声を上げた。女性中心の市民グループ。04年にNPO法人を取得、
初代理事長に就任した。市民に古着を入れてもらうリサイクルボックスは
同市を中心に県内25ヶ所に及ぶ。NHKで全国放映されたこともあり
全国から山のように届く。
古着の仕分け作業場―。理事長が古着の海に飛び込ことも。
そのまま売れる物、海外支援用、ウエス用などに分ける。
ほこりが舞う、猛暑、滝のような汗…。50`前後のダンボールも届く。
ヒョイと簡単に運ぶ。心優しい力も強い理事長さんだ。
日本の伝統芸能の「能」を学生時代から続けている。月1回、
東京から講師を招き、修行する。舞、謡ともに学ぶ。心を空に、
リフレッシュする。古着などを販売するフリーマーケット、
バザーなどは年間40回以上に及ぶ。稼ぎ時である。
「古着リサイクルのピープルで〜す」。
「能」で鍛えた声は他を圧する。
立ち振る舞い、物腰も光る。
04年に後継者の中高校生ボランティア組織を作った。
中高生はイベントごとに応援してくれる。
1時間当たり300円の手当をスタッフに払う。少しずつ
稼いだ金で精神・身体障がい者の小規模作業所を別々に開設した。
国の基準が厳しくなり、精神障がい者の作業所は昨年、泣く泣く閉じた。
タイの山岳民族への教育支援は10年以上に上る。子ども達の寮を4棟も造った。
健康調査などもバックアップした。ラオスでは女性の自立の一環として
布ぞうり、古着を活用した小物作りなどを指導している。
妻、2娘の母、嫁、家庭教師、NPO理事長の5つの顔を持つ。
懸命に頑張った。だが大学生の長女(東京外語)は
「お母さんのような生き方は嫌だ」といい続けた。
母の時間が少なかったか、と悩んだことも。就職の会社訪問で
長女は企業の一端を知った。「お母さんのようなことをしたいと
言って来ました…」。
優しい母の声になった。
尊敬すべき先輩の、あの日の諫言で奮い立った。
「今、ありがたいと思う。私のような者について来てくれる仲間たちには特に」。
ひょうきん、明るさ、謙虚…。
生き生き人生を走る。講演依頼が全国から舞い込む。
福島を代表する女性の一人。
(小林富久壽)

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