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子供がはねられたゾ―。悲鳴に似た絶叫が飛び込んだ。どこの子だ!?社内のタオルをかき集め、
飛び出した。横断歩道、真っ赤な血、倒れたままの幼子…。4歳のわが子だった。頭が陥没していた。
叫びながら抱き上げた。鮮血が彼女の胸に流れ込み、肌を伝って道路に血の海が出来た。
運転手の暴走だった。約20年前の地獄絵である。
自責の念に駆られた。会社では机の下にもぐり、泣き続けた。生きる力を失った。
病は気からの例え通り、子宮がんに襲われた。
手術は成功したが気力は萎えていた。チッチャな仏様の前にひれ伏し、号泣し続けた。
「心臓が休止したらどんなにいいことか…」。慰めの言葉を誰も失っていた。
このままでは家族まで駄目になるー。
再起の決意を固めた。惨劇から1年後の41歳だった。
50歳―。ロンドン留学に挑戦した。持参したのはチッチャなトランク1個。言葉の不安もあった。
どうしても人生に一つの区切りを付けたかった。社長である愛する夫は黙って、
送り出してくれた。世界中の、娘のような若者達と青春を紡いだ。パン1個の食事の時も。
最低限の生活に徹した。地図をたよりにドライブにも挑んだ。
帰国後、菓子問屋・渋谷レックス専務として夫を支えた。心にたまるものがあった。
駄菓子文化の行方である。売ることが下手な職人、後継者不足、先細り…。
駄菓子文化を守るー。決めたら足は速い。 留学前年に立ち上げた「なつ菓子屋」の
充実、名人職人探しに全国を奔走した。「責任を持って売ります。安心して
作って下さい」。初の販売形態だった。
どこの女だ…。疑心暗鬼の職人もいた。誠意を持って体当たりする―。
留学体験が生きた。日本中の職人が次々と手を握り返した。
販売店探しもトップセールスで開拓した。ガソリン高騰が荒れ狂った時、
運送業者に「値上がりの半分はうちで持つ」と、やる気を起こさせた。
元気のない従業員を見れば、背中をポンとたたき
「○×君、エネルギーが入ったよ」と励ます。傲慢な従業員には
「つっかえ棒でもする!」とたしなめた。
不況の嵐が吹き荒れる中、今期の決算が12月に出た。増収増益だった。翌早朝、
いつものように自宅をモップで掃除した。従業員は頑張ってくれた。
私のような者に良く付いてきてくれた。ありがとう。本当にありがたい。
モップを握りながら落涙した。
儲けるだけの社長は小学1年生と言い切る。
地域に還元すべきだ。体の不自由な子供に手を差し伸べている。
こんな便りも流れている。
夫も4年前に肝臓がんで旅立った。落胆ぶりは見るにしのびなかった。
「いつか、夫と息子に会った時、お母さんも頑張ってきたよ、
と笑顔で言えるようになりたい」。
次の目標―。気心の知れた仲間が三々五々集まる。談笑、お茶、食事、
家庭菜園も楽しむ。心の通い合う、そんな楽しい自宅を造る。
すでに走っている。愛嬌とあの度胸も携えてー。
(小林富久壽)
★12月15日(月)午後6時半☆民報ロイヤル(024-533-6121)
☆3500円(飲食交歓含む)☆日本一のふるさとを創る会事務局=タカラ印刷
(福島市渡利字絵馬平86-9 024-526-4303)☆ 連絡員=小林富久壽(プロジェクト・えこ、
090-2606-8034
024-549-3443ファクス)林由美子(タカラ印刷、090-2607-4101)
★参加者のご連絡をお待ちしています(13日まで、同行可)
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