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  6月定期講演会(平成16年)

NP0デイサービスセンター「おらとこ」理事長 

野入美津恵氏(富山)  
    

  「落選しても公約実現 女 花の50代」
     



          
富山県大山町長選で落選した。わずか、2日後から
          公約の実現に向け、走り出した。町議2期目に議員では
          限界があると出馬した。「古民家を活用した富山型の
          介護施設を造る」と訴えた。当選しても公約を無視する
          政治家が多い中、落選者による全国でも
          珍しい公約実現活動が始まった。

 

          総事業費1800万円―。自己資金ゼロ、助成制度がなかった。
          金融機関に何度も足を運んだ。「実績がない」「担保がない」…。
          軒並み断られた。「担保は、野入美津恵です」とテーブルを強く
          叩いたこともあった。「悔しくて、帰りの車の中で何度も泣いた」

 

          燃える情熱と行動力は周りの人の心を動かし始めた。
          時代を刻んだ築100年の民家を貸す人が現れた。
          一緒にやろうというボランティア、さらに地元テレビ局を
          始めマスコミ各社も注目、報道した。

 

          一方でNPОの申請作業も行った。書類を作るためパソコンに挑んだ。
          携帯さえ手にしなかったアナログ派だった。
          ホームヘルパーの資格取得の勉強も行った。
          睡眠は1日2−3時間、7`も減った。 

 

          お年寄り、身障者、子供が一緒に利用可能な富山型ホームにした。
          自分の家との意味の「おらとこ」は県、国を動かし、
          補助導入制度実現の力になった。

 

          おらとこは、笑顔と笑いが絶えない。定員15人の手作りの家。
          無表情な顔が多く目につく豪華大型老人施設とは正反対。
          テレビ局が1時間のドキュメントとして放送した。
          外国を含め、全国から視察者が相次ぐ。 

 

          「おらとこ」に加えデイーサービス、さらに訪問・宿泊サービスもする
           小規模多機能居宅介護事業所の構想も動き出した。

 

           貧乏、逆境には強いが情にはめっぽう弱い。よく泣き、笑い、時々怒る。
           「♪ 1度、決めた〜ら、2度とは変えぬ〜」。
           歌は美空ひばりの「人生一路」。夫、1男1女の53歳。 

 

               講演から3年

                 小規模多機能居宅介護事業所の「おらとこ東」は
         平成19年2月にオープンした。施設に必要な看護師も採用した。
         だが、心がさらに通い、目配りがもっと出来る事業所にするには
         トップも資格が必要と判断、4月に看護学校に入学した。

 

         毎日の授業。3分の1以上欠席、各科目60点以下は不合格と厳しい。
         夕方に帰校後は、おらとこ、おらとこ東の仕事が待っている。
         学校が休みの土日は事業所の仕事に明け暮れる。休日はゼロに近い。

 

         机を並べるのは18歳。燃える56歳でも医学を始めとする
         専門分野の修得はさすがに、きつい。スタートしたばかりの、
         おらとこ東の赤字は月100万。

 

         周囲が心配するが「何とか、なるやん」と明るく笑いとばす。
         講演もこなし、元気と勇気と福祉の心を全国にプレゼントする。
         地方から日本を変えると意気込む得がたい、おばさん。