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  5月定期講演会(平成16年)

      人生で最高の講演を目指す

     日本銀行福島支店長 森川英治氏

  「地域おこし 見たり 聞いたり 考えたり」



              HKで放送中の韓国ドラマ「冬のソナタ」のファンである。


         熟年女性を中心に反響を巻き起こしている。主演2人の魅力、
         音楽、背景の美しさ、だが何と言っても胸をうずかせるのは、
         清らかな恋物語のためではなかろうか。不倫、略奪愛、裏切り、
         殺人と何でもありの日本の恋愛ドラマの花々。


         そんな中に楚々と咲く一輪の白い野ゆり(小百合)。切なかった、
         本当に切なかった遠い昔の想いが蘇る。視聴者は自分の初恋と
         重ねる。胸がキューンと痛む。
  
 
         
マクロ経済のスペシャリスト森川さんは「日本のドラマとの
         空白部分、すなわちニッチ(すき間)市場を捉えている
         ためではないか」とヒットの理由を分析する。

       
         「2、
30年前の日本は冬のソナタのようなドラマが主流だった。
         だが、視聴者に飽きさせないように、より強い刺激、さらに強い
         刺激のドラマへと走った。その結果、冬のソナタのような古典的な
         恋愛ドラマが、ニッチになった。新しさはなくても恋愛ドラマの
         定石をしっかりつかんでいる。今の日本では新鮮さを感じさせ、
         人気につながった」。


              福島民報の経済欄「森川英治日銀福島支店長のマンスリー解説」
         (4月
29日付)での概要である。ここで終われば、芸能評論家に過ぎない。
         日銀の最高意思決定機関「政策委員会室」(前職)で金融政策立案の
         裏方をしきった日本の頭脳は次のように提案する。


         「ニッチというのは小さな市場だが、そこを独占できれば結構、
         割のよい商売ができる。企業が見捨ててきたものの中に大切な
         仕事の種が残されていないか(中略)立ち止まって考えてもよい
         のではないか」。



              福島に着任したのが平成13年11月。県下90市町村の内、約80市町村を
         訪れ、講演したり、住民と交流したりで県民の考え、経済状況を
         確かめ、中央に伝えてきた。「地方の経済状況を正確に報告する
         ことが日本の景気対策の最大の援護射撃になる」。


         腰が低く、偉ぶらず、どんな会合にも気軽に顔を出す。出欠は必ず、
         連絡する。お客はエレベーターまで送り、ドアが閉まるまで頭を下げる。


         森川ファンが増え、講演依頼が相次ぐ。妻と1男2女を東京に残し、
         単身赴任の“浪速っ子”。「少しでも、いい日銀、日本にして
         次代にバトンタッチしたい」と夢を語る48歳。

(文責・小林富久壽)