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        2月定期講演会(平成10年)


      カナダの温泉王 マイク佐藤氏

    (会津下郷町出身)


    「痛快無比 夢追い人生」




 

            早稲田大学の総長に同級生と2人で直訴した。「最も早稲田的な高校生です。
            大学に入れていただけませんか」。会津農林高校3年生だった。たのもしく、
            面白い高校生という表情ながら総長は、静かに諭した。「君達ほどの情熱が
            あれば1年間の浪人で必ず合格する。頑張れ!」



                  次いで拓殖大学に足を向けた。総長は、後に総理大臣を務めた中曽根康弘氏。
            また熱弁を振るった。
野性的、行動力、粗野、夢…。そんな印象を強烈に与えた。
            成績がよく、拓大に見事、合格した。
40年以上前の話だ。


                  授業に出たのは最初の3カ月だけ。あとは、雄弁会に入り、部活に明け暮れた。
            国会議員から村会議員までの選挙演説・応援などで全国を走り回った。
            1年生ながら関東学生弁論連盟ナンバー2の副委員長に就き、
            拓大に佐藤清一あり、ととどろかせた。


            卒業と同時に国際線の貨物船に乗り込み、世界へ飛び立った。船内掃除などの
            アルバイトをしながら、アジア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカなど
            
38カ国を3年間の1人旅を体験した。国交樹立前の中国、民族主義に燃える
            開発途上国…。



                  カナダのトロントで有り金が底をついた。トロントは毛皮で世界的に有名な都市。
            「毛皮商になろう」と決心、毛皮の学校長に体当たりをした。「入学させて」と
            頼み込みこんだ。昼はレストランの皿洗い、夜は毛皮作りの猛勉強。
            
25歳で毛皮の製造・販売の「ワールド・カナダ」社を創設、急成長した。
            トロントbRの毛皮商に発展、ほかにコミニケーションテレビ・新聞も経営。
            別荘を持ち、週末には家族で楽しんだ。



            日本風の温泉をカナダに造ることが夢だった。カナダの温泉は水着で入った。
            日本的な裸の付き合いから、いい人間関係が生まれる。社会が穏やかになり、
            平和になる。


            温泉探しを開始した。カナダは広い。ヘリコプター、水上飛行機、ボート、
            馬も利用した‥。秘湯探しは
10年かかった。道路に転がる大鹿の死骸に
            猛スピードでのり上げ、
100メートルも吹っ飛んだ。アラスカの国境では
            氷が割れ、死にそうになった。


                  ある日、ヘリで降下、仲間と自噴泉を満喫していた。一帯は野ノチゴの草原。
            クマ
20数頭がイチゴを食べに来た。恐くて体が震えた。熱いふろの中で
            震えたのは初めてだった。ヘリが来るまでの約4時間、生きた心地がしなかった。



            夢の実現には予想以上の時間と資金がかかった。毛皮工場などを全て売り、
            人生をかけた。カナダの温泉は、自然保護との関係がことのほか厳しい。
            やっと発見した温泉の開発を何度も申請したが却下され続けた。



                 一昨年、ブリテッシュコロンビア(BC)州に待望の日本風温泉を誕生させた。
            カナダの西の玄関バンクーバーから車で3時間半、ミーガー・クリークと
            いう山の中にあるミーガー・クリーク温泉。林産省管轄の自然公園内の温泉が
            古くなり、改修の必要から日本風の温泉に造り変えることが特別に認められた。
            大自然の中、前には清流が流れ、後ろには木々が鬱蒼と繁る。自然石を使い
            
35人が一度に入れる野天風呂だ。


            現在、2つ目の温泉を申請している。バンクーバーから1時間半、
2700b級の
            氷河が連なり、海も楽しめる絶景。日本でも人気のウスラースキー場からも近い。


            ミスター・ホット・スプリングスの愛称で親しまれている。
            一途に夢を追う
52歳。
                                         
(小林富久壽)


            9年後のマイクさん
            カナダ、アメリカでは水着で温泉に入ると思われがちです。でもマイクさんは
            「全く違います。生まれたままの状態で入ります。恥部をタオルで隠す
            文化がありません。ですから目をそむけることもしばしばあります」と
            日本との違いを強調します。


            混浴の写真も送ってもらったものですが、日本の混浴では考えられない
            状態でした。HPに掲載するには、はばかられました。文化の違いを痛感
            します。


            カナダBC州ののスクーカムチャク温泉は、開発作業を始めて16年目、見通しが
            やっと、つきそうです。今年の5月30日、先住民のインディアンから協力的姿勢が
            示され、待望の工事に移れそうとのことです。インディアンと
            共同で行う珍しい開発になります。


            アメリカにも進出しています。ワシントン州のシーニック温泉です。3年
            ほど前、48000坪の土地を購入しています。シアトルに近いことから
            営業的には最も期待されている温泉です。マイクさんは今年中に工事に
            入りたいと燃えています。


            そのほか、カナダでは温泉開発の権利を3ヶ所も持っています。


            マイク佐藤さんはミスター・ホット・スプリングス、温泉王などと親しまれて
            います。講演依頼なども相次ぎ、その度に優れた日本風の野天風呂の
            素晴らしさを訴えています。


            日本風の温泉で心身の健康、穏やかな社会、そして平和を!。


            マイク佐藤さんの夢追い人生は、続きます。

カナダの温泉王のマイク佐藤さん