第2のふるさと福島ご栄転
「心を込めて本音を語る」
きらきら光る足跡を福島に残した。図書館の歴史では全国にも
輝きを放った。「矢祭もったいない図書館」。
昨年6月、民報ロイヤルでの講演会に足を運んだ。講師は全国一
、有名な町・矢祭町職員の高信由美子さん。町民の要望のトップは
図書館建設。だが財源が厳しく、造るのは難しいことを知った。
「家庭に眠っている本を寄付してもらったら」。講演後、会場で
提案した。
一週間後、あの根本良一町長から「ご協力をお願いしたい」と
丁重な言葉が届いた。毎日新聞の全国版に特ダネが踊った。
「合併しない矢祭町に本の寄贈を!」―。他の新聞、テレビも
追った。善意の嵐が町を襲った。3万冊の予想に10倍以上も、
続々届いた。1月、列島各地から送られた感動、真心、励ましによる
“善意図書館“が全国で初めて誕生した。「町に表彰規定があれば、
勲一等旭日大勲章ものだ」と根本町長に言わしめた。
前任の科学環境部デスクの時、ノーベル賞に輝くワンガリ・マータイさんを
取材した。人柄に魅了された。福島支局長着任後の昨年2月、
マータイさんを福島に招へいした。「もったいない」運動が大きな、
うねりになった。マータイさんを通じた運動への熱い想い。
根本町長にも伝わり、「もったいない図書館」と名づけられた。
全国に発信した市民ミュージカル「人類の破片」では裏方に徹した。
日銀福島支店発案の日本初「お札の植木鉢」ではヒントを提供した。
製造している体の不自由な施設には、注文が相次いでいる。
都市対抗野球の福島工専チームがバス火災に遭い、多額の
カンパ金が燃えた事故があった。すぐに日銀福島支店に
掛け合い、正当な補償を受けさせた…。
ワシントン特派員時代の活躍振りは、友人もほとんど知らなかった。
自慢をしなかった。ソフトな語り、腰の低さ、だが言うべきことは
質問、指摘した。貪欲な好奇心、市民の視線、風のように県内を
舞った。鋭い感性と足で情報をつかんだ。信じられないほどの
心友を各地に作った。「ショックだ」。異動を聞いた心友からの
メール、電話が弊会に幾つも届いた。
心から惜しまれて去る50歳。