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女性にやさしい村づくりー。否、女性を支援する村づくりでもある。
「若妻の翼」は、全国的な話題を巻き起こした。酪農をしながら嘱託で
勤めていた公民館長時代の平成元年から5年間、公民館の事業として実施した。
阿武隈山系の頂きにある人口約6500人の農業中心の寒村。嫁、しゅうと、
しゅうとめの関係は格段に強かった。
若妻の翼は飛び立つ前から乱気流に襲われた。「夫も、義父も経験の
ない外国旅行に何で、若嫁が」「12日間もの旅行中、幼児の面倒は
誰がみる!」「農業が大忙しの9月に何で、行ぐんだ」…。
しゅうとめ、との激しい対立、夫の若妻への不安、逆にしゅうとからの
予想外の温かい激励もあったが…。“家庭愛憎劇”を乗り越え、
ヨーロッパに飛んだ。
初体験を満載して帰国した若妻たちは旅行体験記を出版、7000部も
売れた。やれば出来る。若妻の心にチャレンジの火がついた。未知の
世界に足を踏み入れた若妻は108人。村は大きく動き始めた。
全国でも珍しい女性の農業委員会長、村会議員、コーヒーショップで
有名な「椏久里(あぐり)」を夫と経営する夫人…。
生き生き女性が目立つ。
少子化対策の1つとして子育てクーポン券を出した。3人目以上の子供に
年5万円。保育料、幼稚園費、給食費、村営の本屋での書籍購入費、
村の診療所での診療代など子育てに必要な費用に充てる。村の商店での
買い物にも使える。年間合わせて1千万円のクーポン券。
全額、村内に出回る。
メルヘンチックな建物が目に飛び込む。全国でも珍しい村立の本屋さんだ。
小さな村で本屋は商売にならない。それならばと村が造った。立ち読み大歓迎、
ゆっくり読んでとイスまで備えた。学校帰り、仕事帰りに親子が気軽に足を
向ける。サロンもあり、親子・村民の触れ合いの場にもなった。
「世界一デタラメな賞」とおどけて語る賞も作った。「クオリティライフ顕彰
事業」である。質の高い暮らしをしている人を表彰する。質の高い生活とは?!
10人ほどの委員で決めるが、委員により「質」の考えが全く逆の場合もある。
けんか腰の議論も。全国的にも珍しい賞である。
村政を評価する「村民からの通信簿」、子供でも分かる村の予算書の全戸配布、
ボランティアの道普請(みちぶしん)事業、独身アパート、長男アパート、
ほら吹き大会…。ユニークで村民の心をつかむ施策が目立つ。
夫人は3月に小学校長を退職した。おしどり夫婦で知られる。
台所にも気軽に立つ団塊世代の59歳。
(小林富久壽)

までいライフ(MADAY LAIFE)宣言を全国に向け、高らかにで謳った。「までい」は
「大切に」「丁寧に」「心を込めて」「じっくりと」などの方言。村づくりの基本理念として
進行中の第5次総合興計画の施策に反映している。
宣言に基づき今年、打ち出された1つは、子どもと朝食を取る運動。子どもの健康、
学校での集中力・勉強、さらに家族のあり方からも重要として展開されている。
11月30日には全国初の住民参加型ミニ市場公募債(愛称までいな次世代育成
村民債)が発行される。発行総額900万円、利率は年3・3l。学校バスの購入に
使われる。村政に関心を持つだけでなく、資金を出してまで村政に参加することに
大きな意義がある。
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