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  2月定期講演会(平成15年)

ヤング・レディス・カジュアル
      衣料

   日本一を目指す


  ハニーズ社長江尻義久氏
     (いわき)


「ハニーズの創業からの歩みと
      今後の展開」
  



             ユニクロの創始者柳井正さんらと並んでファッションビジネスの旗手の一人と
          報道された。経済誌「商業界」が昨年1月の臨時増刊号で特集した。今年、
          株式の店頭公開を目指す。全国に
167店舗(1月末現在)を持つ。


          東京、大阪、名古屋などに新店舗を次々に出す。平成
15年度5月期の売上高は145億円、
          経常利益
15億円を見込む。「売り上げが300億円を超えれば、日本一は夢ではない」と
          さらりと語る。


             昭和536月、前身のハニーハウスをいわき市小名浜名店街に開業した。
          将来、株式を上場する、との熱い志を抱いての第一歩だった。だが、来る日も
          来る日も客は来ない。半年間も続いた。「何度も止めようと思ったが、
          今は有名ブランドになっている商品を、原宿で仕入れてみた。これが当たった」


          昭和
58年、仙台のジャスコ(現フォーラス)内に出店した。館内は一流の
          ナショナルチェーンばかり。加えて、動線から外れた最悪の場所だった。
          しかし館内での売り上げトップを記録、全国展開にかなり自信をつけた。


             無地のユニクロに対し、ハニーズは、花柄やチェックなどの柄をそろえ、
          差別化を図った。若い女性が相手のため売れ筋は
1900円、2900円の低価格の
          自社ブランド商品になっている。この業界はスピードが命だ。特に若い女性の好みは
          変化が速く、多様化している。


          「半年後に何が流行するなんて誰にも予想出来ない。重要なことは、今、
          何が流行しているかを早急に見極め、ニーズに合わせ、すぐに市場に投入
          することだ」と強調する。これを可能にしたのが、流行を短時間に察知、
          新商品を企画、製造、直売する体制と、安い中国で大量の委託生産だ。


              吉永小百合が在学しているとの理由(!?)で早稲田大学に入学した。
          “究極のサユリスト”も
56歳。結婚後、30年近い。ただの一度も、
          夫婦喧嘩をしていない、と言う。「お互いに足りないところを補い合えば、
          (夫婦)喧嘩になんかならない」

                                    (小林富久壽)
             講演から4年4ヶ月
                  
                  
                 一人だけ、後出しジャンケンを認められれば必ず勝ちます。競馬の第4コーナーで
                 優勝馬を当てることが認められれば、当たり馬券を外すことは、あまりありません。
                 「ハニーズのビジネスモデルは、そのようなものです。ですから絶対、売れます」。
                 江尻社長は、笑顔を見せながら、自信に満ちた表情で語ります。


                 静かに豪語するハニーズのビジネスモデルとはー
                 
                 
                 流行を、ギリギリまで見極め商品化、短期間に店に並べ、流行をしている内に
                 その新商品を売り尽くすスピード戦略です。半年、1年後の流行を予想して新商品
                 を作れば当たりはずれがあります。ハニーズは、流行を商品化するので必ず、ヒットする
                 ということです。流行を知っている=後出しジャンケンであり、第4コーナーでの勢いの
                 いい馬というわけです。


                 毎週火・水曜日ー。いわきの本社から30人近くの女性デザイナーが東京、大阪に
                 飛び散ります。繁華街や有名カジュアル店などで熱いまなざしをファッションに
                 注ぎます。1週間ごとに足を運ぶと流行の変化、傾向が良く見えるそうです。
                 

                 一方、全国のハニーズ店(5月末現在、700店)からはメール、ファクスで流行の兆しの
                 情報が相次ぎます。沖縄から北海道までの生のファッション情報が集まります。
                 総力を上げた市場調査が毎週、行われているわけです。


                 木曜日は、新鮮で感度のいい多くの情報をもとに企画会議(デザイン会議)が開かれます。
                 数十の新商品が提案されます。女性デザイナーらが自由な雰囲気で活発に議論します。
                 決定された方から、すぐに仕様書になり、翌金曜日には中国の提携工場に
                 次々に発注されます。


                 発注された製品は35日から40日後には全国の店に並びます。流行の旬の内に販売
                 されるので売れないはずがありません。流行品のため安売りの必要もありません。
                 定価で売れる率は80パーセントと、ダントツに高い。儲かるはずです。


                 企画会議には江尻社長が必ず、出席します。新商品はデザイナーらの多数決で
                 次々に決まります。社長の提案、意見が採用されることは半分にも満たないそうです。
                 「それでいいのです。流行を知っているのはデザイナーです。社長の意見を
                 無理やり押し付け、倒産した会社も少なくないでしょう」とニコニコしながら
                 語ります。


                 昨年5月決算の売上高は414億円で66億の経常利益でした。講演時の平成15年の
                 売上見込みの145億円から3倍近い、急増ぶりです。粗利益率(荒利益率)は
                 57・6lでした。信じられないほどの高さです。ちなみにカジュアル衣料小売りの
                 売り上げトップを誇るA社でさえ、45l前後、ナンバー2とされるB社は30l台です。


                 平成15年にジャスダックに上場、その記者会見で質問が相次ぎました。
                 当時の粗利益率53lに関し「ウソだろう」「そんな高い数字は続くはずがない。
                 一時的な数字だ」などの内容です。


                 一時的な数字どころではありませんでした。翌16年は55l、17年は57・6lと上がり
                 続けています。一着1600円という値ごろ感のあるカジュアル衣料小売り業界では
                 ダントツの1位です。


                 日本一です。快走しています。

    
                 ハニーズは平成16年、東北の小売業としては初めて全国制覇を果たしました。
                 全都道府県に出店したのです。今年の5月末に実現した700店舗をさらに
                 増やし、国内1200店舗を目指しています。

  
                 昨年、中国に進出しました。1年で36店舗、造りました。最初の年は
                 赤字を覚悟していました。ところが半年後から急速に売れ始め、結局は
                 初年度から黒字になりました。「想定外でした」とうれしそうに話します。


                 平成17年に東証1部に上場しました。毎週、中国の縫製工場の社長、工場長ら
                 数人が必ず、いわきの本社を訪れ、受注します。国内の大手証券会社の社長が
                 じきじきに、いわきを訪問します。ハニーズ効果が大きくなっています。


                 平成19年5月期決算は7月3日に発表されます。専門誌、アナリストらの予想は
                 大幅増収増益を見込んでいます。売上で100億円以上増の543億円前後と
                 見られます。


                 注目の粗利益率ですが、前期をオーバーするのは確実と思われます。
                 専門家も粗利益率アップの見方を取る人が多いようです。カジュアル衣料小売りの
                 粗利益率57lは世界的にも凄いことです。ビジネスモデルに感嘆する
                 ばかりです。


                 中国には、7年で1000店舗との目標です。中期的には韓国、台湾にも進出
                 を考え、長期的にはアメリカ、ヨーロッパも視野に入れているそうです。


                 「本当に難しいとされる中国で1年目から黒字になりました。大変な
                 売れ行きです。お客様が求めているからです。これからもお客様が
                 必要とするものを提供するとの原点を大事に守って行きます」


                 笑みをたたえながら夢を語っています。