14. 月へ飛ぶ思い
1954年にバート・ハワードが作詞、作曲した「イン・アザー・ワーズ」は、62年にピアニストのジョー・ハーネルがボサ・ノヴァに編曲し、タイトルも「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」に変えてヒットさせました。同年度グラミー賞の最優秀ダンス楽団演奏賞を受賞しています。スタンダード・ナンバーとなって多くの歌手に歌われていますが、私がよく聞いたのは、ブレンダ・リーのスロー・テンポのもので、「月へ飛ぶ思い」とタイトルがつけられていました。
私を月へ飛び立たせて
星のあいだで遊ばせて
木星や火星の春を見せてほしい1969年に人類初の月着陸を達成したアポロ計画では、多くの新しい技術が開発されました。画像処理技術もそのひとつです。阪神高速道路には、1992年に、この技術を応用した世界初のハイテク事故防止装置が設置されました。突発事象検出システムという、いかめしい名前がつけられています。
曲線部で事故が起こると、見通しが悪いために、さらに後続の車が事故車に追突するということが起こります。こうした事故を防ごうとするのが、このシステムです。カメラの画像から車を識別し、速度を計測して、車が停止したと判別すると、すぐに曲線部手前の表示板で後続車に知らせます。管制室にも警報が出され、管制官が画像で状況を確認します。また事故の発生状況は録画する機能も持っています。このシステムが、スピードを出し過ぎていた車が急ブレーキで滑り出し、回転してしまう映像を数多く捕えたのです。
事故を起こしたドライバーから非常電話で連絡を受けたり、連絡より先に管制官がテレビの画像で見つけたりするまでの時間は、平均8分ほどかかっていました。このシステムでは、事故発生の2秒後には後続車のドライバーと管制室の管制官に知らせることができます。最初にシステムが設置された3号神戸線上りの阿波座では、その曲線部で起きる事故のうち、事故車への追突事故が占める比率は、システム導入前の2.8%から1.6%に減っていました。
曲線部でスピードを出し過ぎていると、自分が事故を起こさなくても、突然現れた停止車をさけることは難しくなります。車間を詰め過ぎていても、前の車が滑り出したときに逃げられなくなります。曲線部に差し掛かったときはスピードを控えめにし、車間には余裕を持たせてください。
ブッシュ米大統領は、2015年までに米国の有人月飛行を再開するとしていますが、科学者を悩ませているのは月の粉塵だそうです。アポロ計画でも、この粉塵が宇宙服や計器類を覆い、宇宙飛行士にはひどいアレルギー反応を起こした人もいたとか。月の粉塵は地球の粉塵よりもぎざぎざしていて、機器の故障ばかりでなく、肺の病気を引き起こす危険性もあるというのです。月面での深刻な環境問題ですね。いまはブレンダさんも「月へ飛ぶよりドライブのほうがよさそう」と思っているかもしれません。
2005-06-13